使い方>登山プランを使ってみよう

<操作のポイント>
  • まずプランに入れるコースを作成
  • プランを作成するには、[プランを開く/編集]画面で をクリック
  • [プランにコースを追加]画面でプランに入れるコースをすべて選択したら、[プランを開く/編集]画面に戻る
<このページの内容>
登山プランとは
[プランを開く/編集]画面の見方
プランの使い方
プランを作成するには
・ピストンコースのプランを作成する
・2日以上のプランを作成する
コースの体力度と必要エネルギーについて

登山プランとは

プランはver1.7の新機能です。プランは、いくつかのコースをまとめて開くことができるようにします。プランには次の用途とメリットがあります。

  • ピストンコース、2日以上の山行などで、複数のコースをプランにまとめると、ナビゲーション中に現在のコースのゴールに到達したときに、自動的に次のコースが読み込まれます。
  • 外部から取り込んだコースも、プランに追加することで他のコースと組み合わせて使用できます。
  • プランであらかじめ各コースの目標時刻を設定しておくことができます。
  • 各コースに必要な体力度と、山行全体に必要なエネルギー量(消費カロリー)が表示されます。
  • 新しいMy progressサービスにエントリするときに、行動予定(各コースの出発時刻/到着時刻)をアップロードできます。

プランは常に1つだけ作成できます。作成したプランは自動的に保存されます。
プランを開いたまま編集することはできません。[プランを閉じて編集]ボタンを使用してください。

[プランを開く/編集]画面の見方

  • プラン全体の体力度と必要エネルギー 数値の意味については、コースの体力度と必要エネルギーについてを参照してください。
  • 各コースの予定 自分で設定した出発時刻と目標時刻です。目標時刻は、ナビゲーションの目標時刻として使用されます。
  • 各コースの情報 コースの基本情報です。体力度、必要エネルギー、総距離(km)/上り累積標高差(m)/下り累積標高差(m)、所要時間が表示されます。所要時間は、[基本設定]画面の[所要時間の設定]に基づくパーソナルな推定所要時間です。
  • 選択したコースを上下に移動します。
  • 選択したコースを逆順にします。
  • 選択したコースの出発時刻・目標時刻を設定します。
  • 選択したコースを削除します。コースが選択されていない場合は、すべてのコースを削除します。
  • 全体がピストンコースになるように、現在追加されているコースを往路として復路を追加します。
  • コースを追加するために[コースを開く]画面に戻ります。
  • 現在のプランを開きます。いずれかのコースが選択されている場合は、そのコースが開かれます。コースが選択されていない場合は、最初のコースが開かれます。
  • 地形図のダウンロード オンにすると、プラン内のコース周辺の地形図を一括してダウンロードできます。

プランの使い方

[プランを開く/編集]画面からプランを開くと、最初のコースまたは選択したコースが開かれます。コースの操作方法は、コースを単独で使用する場合とほとんど変わりません。

メモ 異なる点は次のとおりです。
  • プランとして開いたコースを単独で閉じることはできません。プラン全体を閉じてください。
  • プランとして開いたコースを単独でBluetoothで送信することはできません。プラン全体をまとめて送信できます。

ナビゲーション中にゴールに到着したことが検出された場合は、自動的に次のコースに進みます。音声案内やWear通知をONにしている場合は、次のコースに進んだことが通知され、案内は自動的に継続されます。ただし、2日以上の山行で、次が翌日のコースになる場合は、次のコースに移動せず、音声案内やWear通知は終了します。
ナビゲーション中にゴールに到着したが、それを検出できなかった場合は、手動で次のコースに進む必要があります。

次のコースを選択する方法は2つあります。

メニューから選択する
コースパネルを開き、[コースの選択]ボタンをクリックすると、プラン内のコースの一覧が表示されます。 ここから、次のコースを選択します。
スクロールバーを使用する
マップシンクスクロールバーの右ボタン を長押しすると、現在のコースのゴール地点に移動できます。ここで再度このボタンを長押しすると、次のコースが開かれます。

プランを作成するには

以下にプランの作成方法を具体例で2つご紹介します。

ピストンコースのプランを作成する
丹沢の塔ノ岳に大倉からピストンで登る例を説明します。
1 大倉から塔ノ岳までの片道コースを作成します。コースの作成方法については、登山コースを作ってみようを参照してください。
2 ボタンをクリックしてコースパネルを開き、 ボタンをクリックして[プランを開く/編集]画面を表示します。
4 ボタンをクリックして、[プランにコースを追加]画面を表示します。
5 先ほど作成した「大倉BSから塔ノ岳」コースをタップしてプランに追加します。
6 ボタンをクリックして[プランを開く/編集]画面に戻ると、「大倉BSから塔ノ岳」コースが表示されています。
メモ 最初のコースの出発時刻はデフォルトで8:00になります。
7 ボタンをクリックすると、ピストンコースになるように、コースが追加されます。この場合は、「大倉BSから塔ノ岳」の逆コースが追加されます。
メモ たとえば、A、B2つのコースを追加した後に ボタンをクリックすると、A、B、B[逆順]、A[逆順]というピストンコースを作成できます。
8 コースをタップして選択し、 ボタンをクリックすると、出発時刻と目標時刻を事前に設定しておくことができます。たとえば、ここでは、往路の「推定所要時間4時間17分」に対し、休憩時間と余裕を加味して「所要時間4時間45分」の設定にしました。
メモ [この後の時刻も調整する]オプションを選択しておくと、この設定に合わせて後続のコースも時刻がシフトします。
9 [プランを開く/編集]画面に戻り、同様に復路の時刻も設定して、次のような計画にしました。
2日以上のプランを作成する
塔ノ岳の山頂に泊まり、翌日丹沢山まで往復し、鍋割山経由で県民の森に下山する例を説明します。「大倉BS~塔ノ岳」、「塔ノ岳~丹沢」、「塔ノ岳~丹沢[逆順]」、「県民の森~塔ノ岳[逆順]」の4つのコースからなるプランを作成します。
1 大倉BS~塔ノ岳、塔ノ岳~丹沢、県民の森~塔ノ岳(鍋割山経由)の3つのコースを作成します。
2 コースパネルから ボタンをクリックして[プランを開く/編集]画面を開き、 ボタンをクリックして[プランにコースを追加]画面を開きます。
3 「大倉BS~塔ノ岳」、「塔ノ岳~丹沢」(2回)、「県民の森~塔ノ岳」をそれぞれタップしてプランに追加します。 ボタンをクリックして[プランを開く/編集]画面に戻ります。
4 2つ目の「塔ノ岳~丹沢」と「県民の森~塔ノ岳」を逆順にするために、それぞれをタップして選択し、 ボタンをクリックします。
メモ もちろん、「県民の森~塔ノ岳」を最初から塔ノ岳→県民の森のコースとして作成しておいてもかまいません。
5 各コースをタップして選択し、 ボタンをクリックして出発時刻と目標時刻を設定します。2日目は次のような予定にしました。最後の「塔ノ岳~県民の森」では、鍋割山で鍋焼きうどんを食べるために多めの余裕をとりました。

コースの体力度と必要エネルギーについて

「体力度」は、各登山コースの踏破に必要な基礎体力を客観的に比較するための指標です。「必要エネルギー」は、コースの体力度に基づいて必要なエネルギー量(消費カロリー)の目安を提供します。

これらの値は、ヤマケイ文庫「トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか - 低体温症と事故の教訓」(羽根田治・飯田肇・金田正樹・山本正嘉)のP281に「図④登山における行動中のエネルギー消費量の推定式(中原ら: 登山医学、26巻、2006)」として引用されている次の式に基づいています。(原典はメディカルオンラインに会員登録すれば閲覧可能なようです。)

行動中のエネルギー消費量(kcal)=[エネルギー定数]×[体重+ザック重量(kg)]
ここで、
エネルギー定数=1.8×行動時間(h)+0.3×歩行(鉛面)距離(km)+10.0×上り累積標高差(km)+0.6×下り累積標高差(km)

この本では、2009年のトムラウシ山大量遭難死事故について調査する中で、遭難に至ったさまざまな複合的な原因の1つとして、当日までの遭難者のエネルギー摂取量が絶対的に足りなかったことが低体温症のリスクを高めたことや、このツアーコースの体力的な厳しさに対する基本的な認識に欠けていたことが指摘されています。

そのような文脈の中で、上記のエネルギー消費量は行動に必要なエネルギー量を求める式として、また「エネルギー定数」の部分は各登山コースに必要な基礎体力を客観的に示す指標として紹介されているものです(このエネルギー定数を「体力度」と呼んでいます)。

これらの数値が持つ意味と活用方法についてはここでは書ききれないので、ぜひ上記書籍をお読みになることをお勧めします。以下に、この本に書かれているものも含め、これらの数値を利用するにあたっての注意点を記します。

  • 「必要エネルギー」はあくまで行動中に必要なエネルギーです。それ以外の時間については、基礎代謝やその間の行動から別途求める必要があります。
  • 「必要エネルギー」は、コースの状態や天候に左右されます。たとえば、この本では、風速10m/sの風に向かって歩く場合は、50%ほども消費エネルギーが増えるというデータが紹介されています。
  • 当然ながら、トレランなどの運動強度の異なる活動には適用できません。ただし、便宜的に体重設定に運動強度を反映させることは可能です。
  • エネルギー定数(体力度)の「行動時間」は、山ともでは、[基本設定]画面の[所要時間の設定]に基づくパーソナルな推定所要時間を使っています。したがって、ユーザーごとに若干異なる値になります。
  • エネルギー定数(体力度)の「歩行距離」は鉛面距離です。山ともでは、コースの距離を水平距離で表していますが、内部的には鉛面距離で体力度を計算しています。
  • 「体重+ザック重量」は、[基本設定]画面の[体重設定]で設定できます。リュックサックなどの荷物の重量を加えることにご注意ください。

また、普段の生活よりどの程度多くのエネルギーを必要とするか、という点も知りたいところだと思いますが、日常生活の運動強度は各人の仕事や生活環境に大きく左右されるため、ここでまとめることはできません。これらの数値を活用するために、普段の摂取エネルギーについてもぜひ一度をお調べになってみることをお勧めします。