プランはver1.7の新機能です。プランは、いくつかのコースをまとめて開くことができるようにします。プランには次の用途とメリットがあります。
[プランを開く/編集]画面からプランを開くと、最初のコースまたは選択したコースが開かれます。コースの操作方法は、コースを単独で使用する場合とほとんど変わりません。
ナビゲーション中にゴールに到着したことが検出された場合は、自動的に次のコースに進みます。音声案内やWear通知をONにしている場合は、次のコースに進んだことが通知され、案内は自動的に継続されます。ただし、2日以上の山行で、次が翌日のコースになる場合は、次のコースに移動せず、音声案内やWear通知は終了します。
ナビゲーション中にゴールに到着したが、それを検出できなかった場合は、手動で次のコースに進む必要があります。
次のコースを選択する方法は2つあります。
以下にプランの作成方法を具体例で2つご紹介します。
「体力度」は、各登山コースの踏破に必要な基礎体力を客観的に比較するための指標です。「必要エネルギー」は、コースの体力度に基づいて必要なエネルギー量(消費カロリー)の目安を提供します。
これらの値は、ヤマケイ文庫「トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか - 低体温症と事故の教訓」(羽根田治・飯田肇・金田正樹・山本正嘉)のP281に「図④登山における行動中のエネルギー消費量の推定式(中原ら: 登山医学、26巻、2006)」として引用されている次の式に基づいています。(原典はメディカルオンラインに会員登録すれば閲覧可能なようです。)
行動中のエネルギー消費量(kcal)=[エネルギー定数]×[体重+ザック重量(kg)]
ここで、
エネルギー定数=1.8×行動時間(h)+0.3×歩行(鉛面)距離(km)+10.0×上り累積標高差(km)+0.6×下り累積標高差(km)
この本では、2009年のトムラウシ山大量遭難死事故について調査する中で、遭難に至ったさまざまな複合的な原因の1つとして、当日までの遭難者のエネルギー摂取量が絶対的に足りなかったことが低体温症のリスクを高めたことや、このツアーコースの体力的な厳しさに対する基本的な認識に欠けていたことが指摘されています。
そのような文脈の中で、上記のエネルギー消費量は行動に必要なエネルギー量を求める式として、また「エネルギー定数」の部分は各登山コースに必要な基礎体力を客観的に示す指標として紹介されているものです(このエネルギー定数を「体力度」と呼んでいます)。
これらの数値が持つ意味と活用方法についてはここでは書ききれないので、ぜひ上記書籍をお読みになることをお勧めします。以下に、この本に書かれているものも含め、これらの数値を利用するにあたっての注意点を記します。
また、普段の生活よりどの程度多くのエネルギーを必要とするか、という点も知りたいところだと思いますが、日常生活の運動強度は各人の仕事や生活環境に大きく左右されるため、ここでまとめることはできません。これらの数値を活用するために、普段の摂取エネルギーについてもぜひ一度をお調べになってみることをお勧めします。